がっかりすることが続いた先の「諦め」や、逃れられない「恐怖」を経験してしまうと、そこから立ち直り、楽しみや目的を見つけて行動することができなくなる。いったん、諦めや恐怖に支配されると、それを取り除くことがいかに難しいことか。多くの実験で示される結果と合わせて実生活でも、そのような事例は多く見られるだろう。ひょっとすると、自身がそのような状態にいるかもしれない。
これが、組織において実際に起こっていること、と言われたらどうだろう。その組織の「未来は明るい」と言えるだろうか。本書は、人間(というよりも動物)の持つ「探求脳」について、まずは知るところから始まる。毎日、やる気を持って働き、創意工夫を行い、職場に通う。従業員がこれを続けていけるのはなぜか。あるいは、すぐに会社を辞めてしまう人が多いのはなぜか。「こんなにいい会社なのに」と思っているのは経営者だけかもしれない。
最も重要なことは、人によって求めるものは違っても、意味や意義、目的があるのとないのとでは、仕事の成果のみならず、「生き方」そのものが変わるということ。それは、組織のマネジメント層だけではなく、自分たち一人一人が知っておくべきことなのではないか。
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