2.5次元IPで新たなエンタメ経済圏を築く--ウタイテが資金調達

 2.5次元IP開発、運営を手掛けるウタイテは5月17日、Sony Innovation Fund、電通ベンチャーズ、BRICKS FUND TOKYO(三菱地所のCVC)、KDDI Open Innovation Fund、Bandai Namco Entertainment 021 Fundを引受先として、シリーズAラウンドで総額13億円の資金調達を実施したと発表した。日本の新たな「エンタメ経済圏」から世界を目指す。

 ウタイテは2022年12月に設立。「3度目の起業になるが、今度は自分がやりたい領域である音楽ライブやエンターテインメント業界で、生涯を通してやり続けられる事業を手掛けたかった」と話す倉田将志氏が立ち上げた。2023年秋に本格始動し、すでに2回の資金調達を実施。累計資金調達額は約19億円にのぼる。

 5月17日には、新規タレントオーディション「Pop×Diff」を開始。音楽活動とゲーム配信の両面で活躍する「歌い手×ストリーマー」を募集する。「しっかりと強い制作チームを作り、それを仕組み化していきたい」と、タレントだけでなくクリエーターを支える仕組みを整える。

新プロジェクト「Pop×Diff」のオーディションを開催
新プロジェクト「Pop×Diff」のオーディションを開催

 「ウタイテのビジョンは『クリエーターズファースト』。クリエーターの方々を大切にし、その力を最大化していくことを重視している。曲や映像といったエンターテインメントのコンテンツはある意味正解がない。絶対にこちらの方がいいというものがなくて、個人の好き嫌いも入ってくる。その時にクリエーターの方にまかせて、尊重しながら新たなエンターテインメントのコンテンツを生み出していきたい」とバックアップ体制を築く。

 一方で、「遅れてきたインターネット化」に直面するエンターテインメント業界については「日本はコロナ禍を経て、コンテンツの発信が、テレビからYouTubeやTikTok、ライブ配信に移行したと感じている。インターネット上のプラットフォームで活動する人は伸び続ける傾向にある」と強い追い風を感じているという。

 資金調達で得た資金は、2.5次元IP開発、運営、展開、ライブ開催、プラットフォームの構築などに充てる。「個人が活躍するこの時代に、クリエーターの活動を支援し、また、ファンに喜んでもらえる機会の最大化をサポートしたい」と話す。

 約30名いるスタッフの平均年齢は30歳程度。「飲みに行くよりも家に帰ってゲームの中でコミュニケーションを取っているメンバーもいる。あと5年もすればこの傾向はもっと強くなるだろう。ゲームのプラットフォームやメタバース上でのコミュニケーションが一般化した世界がやってくる前段階が、私たちが手掛けているIPや配信のビジネスなんだと感じている」と将来を見据える。

 今、もっとも強化しているのは人材採用。「動画編集者、イラストレーター、制作進行など、一緒に働く方にきてもらいたい」と制作者を広く募っている。

ウタイテ
プレスリリース

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