振り返って、ウマ娘がクロスメディアコンテンツとうたなかで展開されてきた世界を、ライブを通じて届けるのとあわせて、これまでのナンバリングイベントを彩ってきたキャストとともに、5th EVENTから新たに参加したキャストも躍動し、さまざまな思いにあふれ、そして思いを受け継がれていくような5th EVENTのツアーと感じられたところがある。
それぞれの公演にドラマがあるなかでもこの第4公演では、劇場版とメインストーリー第2部にもスポットが当てられ、それぞれの中心にいるジャングルポケット役の藤本さんと、ラインクラフト役の小島さんの奮戦ぶりも目を引いたところ。5th EVENTとしては一区切りとなったがウマ娘はまだまだ走り続けること、そして新時代の幕開けを示すものと思えた次第だ。
また余談ではあるが、筆者個人としても印象的なシーンはいろいろとある。まず気になるウマ娘がホッコータルマエということを踏まえると、ホッコータルマエは苫小牧の魅力を伝えるために歌と走りを頑張る“ロコドル”(ローカルアイドル)なウマ娘であるなかで、DAY1ではトレードマークとも言える後頭部を覆うぐらいの大きめなベレー帽を菊池さんも着用して登場し、「Comeback Story V」での自己紹介では“苫小牧の星”を示すかのように指で星を描きつつ、北海道の方言で挨拶したのをはじめ、第3公演に引き続き「Ms. VICTORIA」の歌唱ではステージ上段に立っていたが、やはり一番高いセンターポジションで見たいとも思わせる光景があったことなどもあるが、見どころとなったのは、ワンダーアキュート役である須藤さんとの、ダートウマ娘コンビの姿。ちなみにワンダーアキュートはとても穏やかな人柄で面倒見がよく、おばあちゃんをイメージさせるようなしゃべり方をするウマ娘となっている。
ステージ上でも菊池さんはホッコータルマエ役として、明るく元気なロコドル感あふれる姿、須藤さんはワンダーアキュート役として、穏やかな表情で見ていても言葉を聞いていてもほっこりするような姿で立ち振る舞うなか、「Comeback Story V」でワンダーアキュートの紹介アナウンスのときには、さりげなく菊池さんがライバルとして対抗心のあるポーズをしていたこととか、「Dance 2 Endless Beat」において羽根扇子を手にトロッコに乗ったる菊池さんが、お立ち台で楽しそうなアイドル感を醸し出していたほか、実況ブースで須藤さんもサングラスをかけて姿を見せ、羽根扇子を手にノリノリで踊っていたのも注目ポイントだったこととか、「Gaze on Me!」では8人で歌うなかでも、菊池さんと須藤さんがセンターに立って軽快に歌う姿も様になっていたこととか、「トレセン音頭」では、ワンダーアキュートがマイペースにたくさんの飴をホッコータルマエやほかのウマ娘にあげようとして、ホッコータルマエが進行をフォローするという姿を2人で表現していたというのも注目どころとなっているのだが、やはり印象的なシーンと言えば、2人で披露した「UNLIMITED IMPACT」だろう。
この曲は“泥臭くとも不屈の闘志で戦い抜いたウマ娘に贈られる魂の歌”という、ダートを走るウマ娘を象徴する楽曲。ここでは熱い思いを秘めたホッコータルマエの姿、いぶし銀の闘志を秘めたワンダーアキュートの姿を示すように、2人がりりしい表情でキレのある振り付けも交えつつ、まっすぐ前を向いて歌う光景は新鮮でもあり、新たな魅力を感じさせるもの。さらに間奏での口上ののち、お互いが向かい合って拳を突き出すバチバチ感のあるシーンも熱い。ウマ娘は競い合う勝負の世界ということを存分に感じさせるシーンにもなっていた。
そして、お気に入りのウマ娘がキタサンブラックであることを踏まえても、印象的なところがある。キタサンブラックは、お祭りが大好きな元気で明るい人情派ウマ娘。そして矢野さんは、Machicoさんとともに5th EVENTの全公演でフル出走を果たし、駆け抜けたキャストにもなっている。この第4公演では、恒例の挨拶「張り切っていこう!」は、会場が大阪ということもあってか「張り切っていくでー!」に変化しつつ、センターに立ってけん引するかのように、そしてこれまでも見せていたキタサンブラックの姿をイメージできるような、常に元気いっぱいで跳ねるようなステップなど躍動感のあるパフォーマンスを披露。
ほかにも、「winning the soul(High-voltage Ver.)」(DAY1)で、これまでも矢野さんが「winning the soul」を歌う姿も様になっていると感じているなかで、新たなアレンジバーションでも、ステージ前方の中心に立って歌う姿が様になっていたことのほか、「トレセン音頭」でのウマ娘紹介のコーナーで終始リアクションをとり続けていたこととか、DAY1では矢野さんが音頭をとってみんなで“エア乾杯”をする場面もあったこととか、DAY1の「うまぴょい伝説」では矢野さんと菊池さんが一緒に歌う一幕もあって気になるウマ娘とお気に入りのウマ娘キャストが並んだという個人的な見どころとなるシーンもあった。また第3公演に続いて大きな見せ場となっていた「ソシテミンナノ」は、よりリッチな曲調で、限界を打ち破ることを意味するようなアレンジ名となった「ソシテミンナノ(Breaking The Limit Ver.)」となるなかで、DAY1では曲中で矢野さんによる「負けない」のセリフも熱さを感じさせるもの。そしてクライマックスとなったTVアニメ第3期第13話で激走するキタサンブラックの姿を背景に、その激走を示すようなダンサーばりのソロダンスパフォーマンスは、“スーパーキタサンタイム”とも“スーパー妃菜喜タイム”とも言えるような視線を独り占めする時間帯でもあり、改めて見ても鳥肌もの。さらにDAY2では、ダンスパフォーマンスの最後に咆哮のような叫びが新たに加わり、激熱と言えるシーンとなっていた。
特に印象的な場面と言えば、立花さんと2人で歌った「Ambitious World(Beyond The Promise Ver.)」だろう。ウマ娘の世界では、キタサンブラックの幼なじみで親友、そしてライバルとしてサトノダイヤモンドが登場しており、2人のことは“キタサト”とも称されている。「Ambitious World」は、TVアニメ3期よりも前に公開された、2人を中心に描かれた、ゲーム1周年記念アニメで流れた楽曲であり、少しリッチで豪華な雰囲気があるアレンジバージョンと、その名称は2人が成長した姿を感じさせるもの。
これまでもナンバリングライブで何度も2人で歌ってきた楽曲だが、今回は前述のようにトロッコに搭乗した状態での歌唱に。冒頭では、結願のしまい華に着替えた矢野さんと立花さんが、お互いに向き合ってセリフを掛け合うシーンからスタートするのだが、まっすぐに見つめ合ってキタサンブラックとサトノダイヤモンドの言葉を紡ぎ、そしてイントロが流れるなかでキタサンブラックの思いを語るシーンは、それだけで涙腺を刺激するもの。トロッコ上だったため特徴的なステップこそ披露されなかったものの、会場のトレーナーさんに手を振りながら随所に振りを入れつつ、間奏や歌詞にあわせて時折お互いが向き合って掛け合いをしたり歌唱する姿も、じーんとくるとことがあった。
また、歌い終わったあとに2人がステージへと移動し、2人の絆を確かめ合うような言葉を紡いで手を繋ぐシーンも胸を打つ場面であったことに加え、そこから暗転してTVアニメ3期のダイジェストシーンがスクリーンに上映されたのち、「ソシテミンナノ(Breaking The Limit Ver.)」が歌われる流れになっているのだが、その暗転している間も2人がずっとお互いに向き合って身振り手振りをしており、仲良しな姿を見ていると、ウマ娘としてもキャストとしても通じ合っていると感じられるところがあった。
キタサンブラックをメインに、キタサト中心に描かれたTVアニメ3期の展開が一区切りし、その物語の結末はあるとしても、ここまで描かれてきた2人の関係性、そして矢野さんと立花さんがライブで見せてきたパフォーマンスを思えば、キタサンブラックとサトノダイヤモンドは、いつまでも一緒に走り続ける光景が目に浮かぶこと、そしてこの先も、矢野さんがキタサンブラック役として、思いを伝え体現するパフォーマンスを通じて、みんなを笑顔にし続けていく未来も確信できるステージと思えた次第だ。
なお本公演は、「ABEMA PPV ONLINE LIVE」ならびに「イープラス Streaming+」にて見逃し(アーカイブ)配信を期間限定で実施。ABEMA PPV ONLINE LIVEでは通常視聴チケットのほか、マルチアングル付き視聴チケットも販売している。配信期間はDAY1が4月5日23時59分まで(販売は4月5日20時まで)、DAY2が4月6日23時59分まで(販売は4月6日20時まで)。料金などの詳細は、5thイベント特設サイト内、第4公演の配信情報に記載されている。なお、DAY1の開幕を彩った「Overture」映像を、4月7日までの期間限定で公開している。
今後の展開についても発表された。まず、劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」について、予告映像とキービジュアルを公開。本作に登場する新キャラクターの「タナベトレーナー」、「ルー」、「シマ」、「メイ」もあわせて公開した。ゲームアイテムと交換できるシリアルコードやB5アクリルボードがセットになったバンドル前売券も、4月12日10時からローソン限定で販売予定となっている。
予告映像や、入場者プレゼントの配布、主題歌「Ready!! Steady!! Derby!!」や、同曲を含む劇場版楽曲を収録したアルバムが5月24日の発売予定、ノベライズの5月28日発売予定などといった情報を公開した。
劇場用再編集版「ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP」の上映が決定。5月10日から2週間限定ロードショーとなっている。なお本作の上映にともない、ウマ娘公式YouTubeチャンネル「ぱかチューブっ!」にて公開されている第1~4話は、4月8日11時59分に非公開になるという。予告映像を公開したほか、入場者プレゼントとして、ゲームアイテムと交換できるシリアルコード付き描き下ろしミニ色紙(全3種ランダム)が配布されることも発表した。
ゲームについては、出走者が着用していた衣装「Gate of Infinity」をゲーム内でプレゼントするほか、「ウマうたジュークボックス」にセットリストや楽曲を追加した。
ウマ娘キャストによる新たなリアルイベント「ウマ娘 プリティーダービー TWINKLE CIRCLE!」の開催が決定。2024年夏より全国5都市にて開催予定で、トークありバラエティありライブありという、ウマ娘のさらなる魅力をトレーナーと一緒になって楽しめるステージイベントとしている。
5th EVENTの映像商品となる、第3公演「YELL」と第4公演「NEW GATE」が1パッケージになった、Blu-ray「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -YELL- & -NEW GATE- 」の製作も決定している。
このほか、「ウマ娘 プリティーダービー」公式ストアの新商品や、フィギュアについても告知を行った。
「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND」特設サイト
劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」公式サイト
劇場用再編集版「ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP」特設ページ
「ウマ娘 プリティーダービー」公式ポータルサイト
(C)Cygames, Inc.
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